ゲーム開発者を世代分けしてみる

雑記

お笑いは今、第7世代がもてはやされているようです。

私も昔ゲーム開発者を世代で分けたことがあります。
もう13年も前のことです。

今回ブログを書くにあたり、過去の記事を見直し、新たに書き加えてみました。

なお、年代については幅がありますし、それぞれの世代の人の中でも生き様は様々ですので、該当しない方もたくさんいます。
あくまでも一個人の視点でのまとめであることをご留意ください。

なお世代の区分けについては、業界的に大きな転換を迎えると思う年に大体15歳であろうという考え方で分けています。
(つまりWindows95が出たときに15歳頃の人→1980年生まれの人)

第0世代 パソコンを知らない人達

1955年以前に生まれた世代。
二十歳の頃に喫茶店でインベーダーゲームに興じたり、出張の移動中にゲームウォッチして遊んだりといった記憶がある方も多いのではないかと思います。

この世代の中のごくごく一部の人が、海外からコンピュータゲームを持ってきて日本に広めました。

第1世代が開拓者だとすれば、第0世代は新大陸発見者と言えるでしょう。

第1世代 パソコン創世記に活躍した人達

1955年~1970年頃に生まれた世代。
PC-88、MSX、ファミコンなどでゲームプログラマー(プランナー兼用?)をしていた人達です。

第1世代の人達は、これ以前のパソコン、例えばMZ-80系やPC-80、Appleなどを触ってコンピュータやプログラミングを勉強したと思います。
子供時代にコンピュータゲームというものが家庭に無かった世代で、エレメカで遊んでいた方が多いと思います。
青年や大人になってからコンピュータに触れた人が多く、家庭用コンピュータゲームの礎を築いた方達です。

市販のパソコンは尋常じゃないくらい高価で、パソコン自体を1から組み立てて作る(マザーボードを買ってきてとかではなく、マザーボードを1から作るというレベル)人などもザラです。

このあたりの世代はドハマリしている人はガチのマニアですが、仕事の流れで開発に携わっている人も多く、ほぼゲームに興味のない開発者もチラホラいます。(なにせ子供時代に無かった職業ですから)

第2世代 初代デジタルネイティブキッズ

1970年~1980年頃に生まれた世代。
PC-88/98、MSX、ファミコン、X68000などを触りながら育った人達です。

第2世代の人達は、小学生の頃にファミコンが出た時代の人です。
世の中にファミコン(コンピュータゲーム)という新しい遊びが広く認知されていく時代と共に成長してきた世代です。

この頃になるとパソコンは比較的お手頃価格になりハード購入までの敷居は下がりますが、プログラミングは主にBASICと機械語でとっつきにくく、情報はほぼ書籍からといった環境なので、ゲーム制作にハマる人間はごく一部に限られていたと思います。

しかしながら各企業から多種多様なパソコンがリリースされ、書籍も豊富に出版されていましたし、経済も順調、ちょうど第2次ベビーブームにより子供人口も多かったため、一部と言ってもそれなりの人数はいたと思います。

パソコン通信で日本中の仲間とコミュニケーションを取り、コミケの創世記から参加する人達は、オタク第2世代でもあり、1960~1970年代のオタクは一般の人から見ると本当にキモイ目で見られていました。

第3世代 開発者氷河期の到来

1980年~1987年頃に生まれた世代。
PC-98、プレイステーションやサターンなどを触りながら育った人達です。
物心ついたときには家にゲーム機(スーパーファミコンなど)が置いてあった人も多いかと思います。

この世代の少年・少女期にはホビーパソコンが終焉を迎えます。
原因はWindows95の登場です。

Windows95のプログラミングはとても敷居が高く、パソコンもDOS/V互換機以外は駆逐された為、ゲーム制作環境はほぼ壊滅状態になりました。

このためこの世代の人達は、スーパーファミコンやプレイステーション、サターンといった魅力的なゲーム作品を触り、ゲーム開発に興味が湧いたものの、あまりの開発の敷居の高さに挫折した人もたくさんいたんじゃないかと思います。

第4世代 新天地が誕生

1987年~1995年頃に生まれた世代。
プレイステーション2が勢いに乗っていた時代に青年期を迎えます。
ゲームというものがすっかり市民権を得ている環境で育ってきた世代です。

Docomoのiモードが発表(1999年)され、Javaという言語を使って比較的簡単にゲームアプリが作れる環境が誕生しました。
また作ったアプリをネットを通じてたくさんの人に気軽に遊んでもらえる環境もでき、ゲームプログラミングにチャレンジした人もそれなりにいたのではないかと思います。

DirectX7の発表で、Windows環境でもリッチなゲームが比較的簡単に作れる環境も整い始めました。
DirectXを簡単に扱えるライブラリも、オープンソース含め色々開発され、それらを参考に知識や技術力を増やしていった人も多いんじゃないでしょうか。

第5世代 開発のハードルが一気に下がる

1995年~2005年頃に生まれた世代。
親のほとんどが携帯電話(ガラケー)を持っており、自身も若い頃からガラケーを所持し、モバゲーやmixiを中心としたSNSに熱中した世代です。

iPhoneが登場(2007年)し、ガラケーから徐々にスマホに移行していく時代で、iアプリでは難しかった個人で開発、個人でリリース、個人で収益といった環境が提供され、ゴールドラッシュが到来しました。

VisualStudioが無償化され、リッチな開発環境が手軽に手に入れられるようになりました。
またUnityなどの開発統合環境の飛躍的な向上に、ゲーム開発の敷居がどんどん下がっていきました。

しかしながら、ゲームのクオリティはどんどん高められ、業界のクリエイターに対して求められる即戦力は上がる一方で、その予備軍となる若い世代を育てる為の土壌はまだまだ未開拓な状態でした。

この10年は技術進歩がめざましく、10年を一世代でくくるのは少し無理があるのかもしれません。

第6世代 新しい価値観の到来

2005以降に生まれた世代。
2020年現在、ちょうど15歳くらい。

ゲーム制作の開発環境は、もの凄く発展してきましたが、その反面取り残されたのが、人の育成の部分、すなわち教育の部分です。

ゲーム制作にはロジックの分解・構築能力が必要であり、プログラミングには問題解決能力が必要とされます。
つまり1つの物事に対して色々な視点で見て、色々な考えやアイデアを出し、それを吟味するという一連のプロセスを行う必要があるのですが、古来の日本の教育は知識を詰め込む教育であり、考える力より覚える力が優遇されてきました。

それが「ゆとり教育」という名の改革が第2世代あたりから徐々に進行し、第5世代でピークを迎えます。
ゆとり教育では答えを覚えるのではなく、考える力を伸ばす方向へ舵が切られました。
ところがゆとり教育では、色々な視点で色々な考えやアイデアを出すまでは良いのですが、それらを全て尊重するという風潮があり、吟味するという部分が抜けていました。

結果的に「間違っていても良い、それが個性だ」という訳の分からない理屈がまかり通り、チェックして改善するというプロセスがすっぽ抜け、ポンコツはとことんポンコツという状態になってしまいました。

そこで国の教育方針が変わり、考える力と確認する力すなわち「プログラミング的思考」を育てることになり、この世代はその転換期の最先端にいる世代です。

すなわちゲームを作るための基礎を学校で学ぶ世代です。

またプログラミング環境もScratchやマインクラフトなど、初心者がとっつきやすい環境、遊びながらプログラミングが学べる環境が整いつつもあり、優秀な人材が育つ環境が準備されてきました。

第7世代 次世代の子供達

2012以降に生まれた世代。
2020年の今、8歳ぐらいで、15歳まであと7年あります。
7年先の未来はどうなっているのでしょうか?

東日本大震災を始めとする、毎年起きる大きな災害、延々と続くデフレ経済によって、日本社会の一世代前から続く価値観の変化がさらに進みます。

脱ゆとりの教育方針も成熟期に入り、教える側にもノウハウが貯まった状態で教育を受ける世代です。

そして今、コロナ渦による自粛によって、リモート授業という前の世代が経験したことの無い新しいスタイルでの学びを受ける世代です。

更にもう一つ、この世代は過去の膨大なコンテンツに容易にアクセスが出来る環境が提供されています。
古いゲームを新しいものとして遊んだり、アニメ・映画・音楽といったものも、時代関係なく、同一に簡単に手に入ります。

情報発信では、個人で文章や動画を投稿するのは当たり前、ITリテラシーも教育や生活環境の中で自然と育っていくかもしれません。


さて皆さんはどの世代に入りますでしょうか?
私、星山は第2世代に入ります。
なので、他の世代については、あくまで第2世代の人間が見た景色となりますので、「いや実際はこうだったぞ」などありましたら、是非ご意見をお寄せください。

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